fc2ブログ
日本で一番東にある古本屋〈道草書房〉のブログです。 本やそれにまつわる色々についてのよもやま話です。






プロフィール

みちくさ(道草書房店主)

Author:みちくさ(道草書房店主)
専門分野は、ミステリ・文学、それと郷土(北海道/根室)関係をちょこっと。
日本の片隅で細々と商いをしている、古雑誌をこよなく愛するおっちゃんです。



最新記事



最新コメント



最新トラックバック



月別アーカイブ



カテゴリ



カレンダー

01 | 2024/02 | 03
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 - -



FC2カウンター



検索フォーム



RSSリンクの表示



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



QRコード

QRコード



【店主の読書ノートその13】『地球(テラ)へ…』(竹宮惠子著、中央公論社愛蔵版)
Terra



どうもマイナーな本ばっかり読んでいたので、ひさしぶりにメジャーな作品など―。


ジャンル・ノヴェル中心の古本屋だが、ジツのところ店主本人は、SF小説やSFマンガに強いワケじゃない。
それなりに読んではいるが、むしろ弱いほうだと思う。

実際、
萩尾望都の『銀の三角』なんか、完璧に理解できたとは云い難いし、
アーサー・C・クラークの『幼年期の終り』も、二度読んでやっと掴めた感じだった。

そういうニンゲンではある。

ではあるが、
本書に関して云えば、
かなり分かりやすかった。


環境汚染により地球は病み、人びとが他の星や宇宙ステーションへの移住を余儀なくされた未来。
人類は、人工子宮により産み出され、養父母により健全な育成を施され、14歳で成人検査を実施され、その成績によって指導者や一般市民に振り分けられる。
そして、その結果に従って新たに再教育される。「地球」に住むことが許されるのは、一部の優秀なエリートだけ。

そんな未来である。

人類の育成を担う惑星アタラクシアで育った少年ジョミー・マーキス・シンは、成人検査を受ける直前、フシギな夢をみる。それは、人類との共生と地球への思慕を抱く新人種(ミュウ)の指導者ソルジャー・ブルーの夢だった。

その夢の話をした直後、当局によりESP検査や成人検査をされたジョミーは、ミュウと診断され抹殺されそうになる。その危ういところを救ったのは、夢に出てきたソルジャー・ブルー。彼は次代のミュウの指導者にふさわしい者としてジョミーと接触、テレパシーで彼に語りかけていたのだった。

物語は、テレパシーをもつものの虚弱体質な新人種(ミュウ)と人類との軋轢を軸にして進む。
精神的には強いが、肉体的には弱いミュウ。
そのミュウを、化け物として排斥しようとする人類。

それぞれの立場を、ソルジャー・ブルーの遺志を継いだジョミーと、エリート候補生のキース・アニアンが代表し、交互にそれぞれの物語が進行していく。

基本的に人類とその亜種のおハナシだから、対立にしても分かりやすいし、絵自体もクセがなくて読みやすい。ストーリイの流れも悪くはないし、結末の付け方もまずまず。


たぶん、竹宮惠子氏の作品では、これがもっとも有名だと思う。
映画にもなったし。
また、女性漫画家の絵がニガテな方でも、取っつきやすい図柄でもある。

ただ、これが竹宮惠子氏の代表作かといえば、難しいところ。
悪くない作品だとは思うが、突き抜けた想像力という点ではちょっと―、という感じもする。
ほかにも、いい作品があるしね。

しかし、それが返って私のようなSFに強くないニンゲンでも、すんなり入っていけた理由なのかな、という気もする。そこらへんが、評価のムズカシイところ。

ともあれ、SFの好き嫌いに関係なく、読んでみて損はない作品。


スポンサーサイト





コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://michikusabooks.blog108.fc2.com/tb.php/24-c84ea7aa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)